2024/12/10
株式会社柊樟、代表の後藤です。
コンビニ経営をしていると、日々様々な出来事に直面します。経営者というと、「楽で儲かる」と思われがちですが、実際は孤独で辛い出来事も多いのが現実です。その中で、従業員との信頼関係について考えさせられた出来事がありましたので、今回はそのお話を共有したいと思います。
悪意に直面した苦い経験
ある日、クルーの方から「社員のAさんが無断で10日間も休んでいる」という報告を受けました。当初、耳を疑いました。というのも、Aさんにはシフト管理を任せており、「体調が悪いから代わってほしい」と毎日代わりの人員を手配していたため、こちらで異変に気づくのが遅れたのです。
すぐに本人に連絡を取り、事実確認をしました。Aさんは「体調が悪かった」と繰り返すばかりでしたが、私は以下のように指導しました。
- 体調不良は仕方がないが、複数日休む場合は事前に連絡すること。
- 社会人としての責任を果たすための基本的なルールを守ること。
さらに、Aさんはシングルマザーで「お金が足りない」と常に生活の苦しさを訴えていました。私はその背景を考慮し、次のように励ましの言葉をかけました。
- 無理はしなくていいが、有給がない状態で休みが続けば控除されるため、生活がさらに厳しくなる。
- 出勤可能な日は可能な限り頑張ることが結果的に自分のためになる。
それでも数ヶ月後、Aさんは突然退職。そして驚くことに、退職直後に労働基準監督署へ次のような内容で訴えを起こしました。
- 未払い賃金がある。
- 体調が悪くても出社を強要された。
- 「這ってでも出勤しろ」と脅された、と事実を捏造。
調査の結果、勤務実態のない「空出勤」が発覚しました。
- タイムカードと防犯カメラの映像を照合した記録を労基署に提出。
- 未払いどころか、不正請求の疑いがあることを証明しました。
幸い、証拠があったため会社側の非がないことが認められました。しかし、もし証拠がなかったら不当な金銭請求を受けていた可能性がありました。
経営者が取るべき対応
この経験から得た教訓として、次のことが挙げられます。
- 社員を過度に信用しすぎないこと。
- すべてのやり取りを記録に残し、トラブルに備えること。
- 労基署を利用した不当な訴えにも対応できるよう、自衛策を徹底すること。
それでも、私はこう思っています。
- 自分のところの社員は、在籍する間はできる限りのことをしてあげたい。
- 信頼もしたいし、支えることで共に成長していきたい。
従業員一人ひとりが働きやすい環境を作ることが、結果として会社全体の利益にもつながると信じています。
経営者としての孤独と覚悟
今回の出来事は、経営者としての孤独や責任の重さを改めて感じるものでした。
- 従業員の生活を支えるために最善を尽くしても、その誠意が必ずしも報われるとは限らない。
- それでも、この仕事に誇りを持ち、未来に希望を持ち続けることが大切。
コンビニ経営は決して楽な仕事ではありませんが、信頼を築き、地域や従業員の生活を支えることで、社会に貢献していると感じています。同じような立場の経営者の方々にも、私の経験が何かの参考になれば幸いです。
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