経営権譲渡を終えて感じた、本部の稚拙な対応と課題


「お酒の美術館 JR尾張一宮駅前店」の経営権譲渡が完了しました。これまで店舗を支えてくださった皆さまに心より感謝申し上げます。しかし、この譲渡プロセスを通じて、フランチャイズ本部である株式会社〇〇◯の対応には多くの課題があり、不信感を抱かざるを得ませんでした。本記事では、その具体的な問題点を詳しくお伝えします。


譲渡金の不透明な変更に対する疑問

当初、譲渡金は300万円で合意されていました。しかし、契約書を確認したところ、譲渡金額が突然100万円に減額されており、その理由についての説明は一切ありませんでした。

さらに、9月末に譲渡が完了する予定だったものが、先方の都合で11月末に延期されました。

その際、「延期による損失分として100万円の保証金を支払う」との話がありましたが、この保証金は結局譲渡金に含まれる形となり、私たちには1円も支払われませんでした。

譲渡金額の減額や保証金未払いなど、不透明な金銭の取り扱いは、フランチャイズ本部として重大な信頼問題です。

これは当方が全て書面で貰わなかったのがいけなかったのですが、そもそもこういった重要な議案でも、本部担当はこちらに来る事もなく、全て電話での口約束。

私自身、ローソンのFCを長くやってますので、こういった口約束でもすぐに書面を持って来訪があるものと思っていました。

しかし、こちらの本部は全くなしのつぶて。

今思えば、これらの発言が「会社」として稟議通ったものであるかどうかも怪しいものと思っています。

有り体に言えば、担当者がその場しのぎで(そのように動くつもりであったとしても)話を作り、それを忘れたり、調整がつかなかったりして辻褄が合わなくなっていたのでは?とも思われます。

どちらにせよ、企業間での話し合い、契約を行う姿勢でなかったことは確かです。


防犯カメラ撤去を巡る無理難題

突然の変更と非現実的なスケジュール

当初は「防犯カメラはそのまま残す」との話で進んでいました。

お酒を提供する業態であり、深夜に女性が勤務する機会もあるので、店内を映す防犯カメラは必須です。(実際、このカメラ映像があったおかげで、犯罪行為を摘発することもできました。)

そのため、私は懇意にしている警備会社と調整を進めていました。

しかし、譲渡終了のわずか3日前、本部が警備会社に直接連絡し、「防犯カメラを撤去するように」と一方的に通知しました。しかも、「3日以内に撤去する」という非常に短い期限を指定されました。

防犯カメラの撤去は専門職人が必要な作業です。

現場の状況確認や計画、手配など、通常であれば数週間単位の猶予が必要です。本部のこのような急な変更は、現場に多大な負担を強いるものでした。

継続するかしないかはどちらでも良いのですが、調整の必要な業務をたったの3日で行えと言う姿勢は企業間取引としてあり得ません。

期間がかかる内容なので、当方は早くから打診していたのですが、それも全て無碍にされた形です。

警備会社と信頼関係への影響

無理難題を押し付けられた警備会社は、対応に追われ、多大な迷惑を被りました。

さらに、私が直接調整を行っていたにもかかわらず、本部の一方的な行動により、信頼関係にも悪影響を及ぼしました。

このような対応には、企業としての誠意や常識が欠けていると感じざるを得ませんでした。

企業間の信用と言うものがどう言うものか。

その考えが全くないとしか思えません。

このような企業と付き合っていくことは多大なリスクを背負うことになるでしょう。


労働者を軽視した採用プロセス

突然の「全員解雇」通知

従業員の処遇については、事前に「全員を面接し、その上で採用可否を決定する」という合意がありました。

しかし、譲渡の直前、11月22日に本部から突然「全員解雇」との通知を受けました。この決定が譲渡相手の意思なのか、本部の判断なのかについての説明もありませんでした。

面接を経た採用と混乱

私は即座に抗議し、面接を実現するよう求めた結果、ようやく面接が行われ、アルバイト1名と社員1名が採用されました。

しかし、社員の方は次期経営者のビジョンに違和感を覚え辞退することになり、現在の従業員はアルバイト1名のみとなりました。

次期経営者が採用活動を進めていると聞きますが、応募者がほとんど集まっていない状況です。従業員の生活や将来を守ることは、経営者として当然の責務です。本部がこれを軽視している姿勢には深い失望を感じます。

 

ただ、この経緯において、面接即採用となった点を考えると、この「全員解雇」は果たして次期経営者の下した判断なのでしょうか?

私には本部担当者が何かの意図を持って次期経営者に伝えずに終わらせようと下に感じられて仕方ありません。


譲渡相手と一度も顔を合わせられない異常事態

直接会えないままの譲渡プロセス

譲渡相手と一度も顔を合わせることなく譲渡が進行しました。

店舗を引き継ぐ人物がどのようなビジョンを持ち、どのように経営を進めていくのか、最後まで全く分からない状況でした。

特に店舗の引き継ぎでは、設備や在庫、従業員の処遇など、直接話し合わなければ解決できない問題が数多くあります。

このような基本的なプロセスが無視されたことは、非常に不誠実な対応と言わざるを得ません。

 

また、現場での引き継ぎ事項も多々あり、それを知る社員が採用を辞退したことで、次期経営者は鍵の所在から警備システムの解除方まで、何も知らないまま店舗を再開することになります。

できるのでしょうか?

本来なら、契約や在庫の件を1か月ほど前から調整し、譲渡数日前より次期経営者が現場に入り、そこで細かな引き継ぎをするものです。

 

 


今後の決意

今回の経験を教訓に、株式会社柊樟は「透明性」「誠実さ」「人を大切にする経営」を徹底していきます。

事業譲渡にあたり「譲渡元は雇用を守るのが最後の仕事」と考え、なんとか全員が現状の生活を続けられるように手を尽くしたのですが、結果は1名が残り、2名が退職と言う形になりました。

もっと早くから本部に口出しをし(ですが、担当に連絡しても繋がらない、折り返しもないこと多々)、強引に面接等に漕ぎ着けるべきではなかったかと後悔もしています。

これは「本部に言えば大丈夫だろう。」と言う、私の甘えでもあります。

この件を糧とし、今後はフランチャイズ本部に依存せず、自らの手で信頼される店舗運営を目指してまいります。

これまで店舗をご愛顧いただいた皆さま、また支えてくださった関係者の皆さまに改めて感謝申し上げるとともに、引き続きよろしくお願い申し上げます。